月別アーカイブ: 2023年9月

ソケイについて

白い花は、テッポウユリ、つる状に伸びた葉はソケイ。テッポウユリの方は、日本原産でリュウキュウユリという別名があるように、日本の南西諸島や九州南部が自生していたのが、本州以東では観賞用に栽培されるようになったようです。そう言えば、何年か前まで、このテッポウユリが我が家の庭にも咲いていましたが、残念ながら今は見ることはできません。もう一つソケイですが、例によって、ウェブでいろいろ調べてみました。ソケイはインドなど南アジアが原産で、日本には、江戸時代の中頃、中国経由で沖縄に入って来たと言われます。ちなみに日本名のソケイは、いつの時代かわかりませんが、この植物の白い花を好んだ美女の名前の「素馨」を音読みしたもののようです。ソケイの花は、夏から秋にかけて細長い筒形の花を咲かせ、花が咲いた後も果実をつけるそうですが、ここでは確かめることはできません。ソケイは一般的にはジャスミンと呼ばれるようですが、ジャスミンとはソケイと同じモクセイ科ソケイ属に分類されているつる性植物の総称で、主にマツリカ(茉莉花)やハゴロモジャスミンなどの芳香性の花を咲かせるものを指すようです。

「らんまん」製作者に感謝

NHKの連続テレビ小説「らんまん」も、今週が最終週です。植物学者牧野富太郎をモデルとした槙野万太郎の生涯を江戸末期から大正の関東大震災の激動の時代を背景に描かれてきました。多彩な出演者・主題曲・語り手など話題が多い作品にしあがっていますが、一番印象に残っているのが、時代を象徴する様々な事柄が時々におりこめられてきたことです。まず最初の頃、万太郎の故郷高知県で起こさった自由民権運動でした。ドラマでは主人公が運動に関わった疑いで、囚われの身になりました。植民治下の台湾に派遣された主人公が現地で發塤した新種の植物名を台湾ちなんだ名前にしょうとした万太郎に対して、台湾を統治している日本語になじんだものにしろという横やりが上から入ります。さらに国が推し進める神社の合祀令に対して、神社の森に存在する植物を守るために自分の職も賭ける主人公のの姿もありました。そしてつい最近描かれた関東大震災直後の事件として、万太郎の子供が、ある新聞記事を見入り憤慨する場面がありました。その新聞記事というのは「大杉栄・内縁の妻伊藤野枝・甥の6歳の橘宗一が憲兵寿恵子隊に連れ去らわれ殺害された」という内容でした。もちろん植物に対し熱情をささげた万太郎と、万太郎を蔭になり(あるいは日向になり)支えた寿恵子を主軸に据えたドラマの展開だったことは言うまでありませんが、物語の節目に登場した様々な事柄を登場させたことが、いままでのNHKの朝ドラも例の大河ドラマにもなかったことなので、「らんまん」製作者に感謝します。

 

暑ければ暑いほど元気

ピンクの大きい花はクルクマ、写真では見分けがつかないかもしれませんが、手前の赤い実がヒペリカム、後方のピンクの小さい花がスターチスの仲間(正式には名前がみつけられませんでした)、そして放射状に伸びた大きな葉はタニワタリ。どれもわたしたちにはなじみの薄い植物ばかりですが、特にクルクマについて紹介したいと思います。クルクマは、東南アジア原産デ、タイの北部やカンボジアに分布し、漢方に使われるウコンの仲間で、こちらは観賞用として栽培されているクルクマ・シャロームという名前がついています。きれいな花びらのように見える部分は、実は花びらでなく、苞(ほう)という部分がトーチ状に重なったもので、実際の花は、苞と苞の間にあります。タイでは、苞の形から「タイりチューリップ」読んでいるようです、原産地からも想像できるように多年草ですが、寒さには弱く、夏の暑さに強く、暑ければ暑いほど元気に花を咲かせるという、夏バテ気味のわたしたちにとってうらやましい限りですね。

ススキについてのあれこれ

青紫の花はリンドウ、黄色の花はキク、そして、すっとほうき状に伸びた花穂はススキです。ススキはその昔、十五夜の月見の日に、ハギとともに飾られたようになじみの深い草花で、日本中どこでも見られましたが、最近は見ることが少なくなったようです。ススキについては、昔から人々の生活と密接に結びついてきました。ススキは「茅」(かや)と呼ばれ、農家で茅葺(かやぶき)屋根の材料として使われたり、家畜のえさとして利用されてきました。またその花穂が動物の尾に見立てて、尾花(おばな)と呼びました(ススキ自体を尾花と呼ぶ場合がある)。また馬の毛色で尾花栗毛(おばなくりげ)というのは、たてがみや尾が白色のものを白くなったススキの穂に見立てて呼んできたそうです。また『万葉集』には、「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また 藤袴 朝顔の花」という山上憶良が詠んだ歌があるように秋の七草の一つにかぞえられています。ちなみにススキは、秋の季語ということです。「幽霊の正体見たり枯尾花」という諺はよく知られています。ススキは、イネ科の植物で、冬には、地上部は枯れてしまいますが、地下茎はしっかり根をはる春にそなえます。